悪ノ花道・ロケット団

2/17
前へ
/20ページ
次へ
東西南北に道がのびる、活気豊かな潤いのあるここはハナダシティ。 西には大人気の珍しいポケモン・ピッピで有名な『おつきみやま』が、東には真っ暗闇が続く『イワヤマトンネル』と今は稼働していない『むじんはつでんしょ』、そして北の岬にはポケモンの研究者として有名なマサキが住んでいる。 なかなかに名所だらけの街だ。 だが、ここに集まる夢多きポケモントレーナーの目的はそんなものではない。 そう、トレーナーのお目当ては、ポケモンリーグの本戦とも言える四天王に挑戦するために必要なバッジを保有しているハナダジムだ。 この街に来るトレーナーの大半はジムが目当て……なのだが、 「っよし! 5人抜き達成だ!」 元気に叫ぶ青年、ヒノトは違っていた。 見た目に何ら特異な点の見受けられないヒノトは、ハナダの南にあるヤマブキシティ出身のポケモントレーナー。 ヤマブキシティと言えば、大手ポケモン商品メーカー『シルフカンパニー』の本社ビルがあることで有名な街だが、逆を言ってしまえばそれ以外に名物のない地味な街。 そんな街から出てきたトレーナーのヒノトは、別にポケモンリーグを目指しているわけではない。 幼い頃からただただポケモンが好きだった彼は、15歳の誕生日に親からもらったモンスターボールで、初めてのポケモンを捕まえた。 それから約3年後の今日。 地道に草むらでバトルを重ねてきた手持ちポケモンの実力を試すために、ハナダシティの『ゴールデンボールブリッジ』まで来たのだ。 この橋の、本当の意味など知らずに。    
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

106人が本棚に入れています
本棚に追加