プロローグ

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俺の名は孟深、もうみって読むんだ。 今日俺は、小学の時から好きだった女の子に告白したんだ。 見事にフラれたけどねw 初恋も虚しく終わり、心にぽっかり空いちまった穴は塞がらない。 天がそんな俺を笑っているのか、どしゃ降りの雨のなか、傘もささずに一人寂しく下校。 冷たい雨のなか、人だかりが少ない路地裏、俺はそこで一匹の子猫にあった。 子猫の傍らには、すでに事切れた母猫と思われる猫がいた。 このままではこの子猫もいずれ餓死してしまうだろう、俺は子猫を介抱した。 早速家に持ち帰り、まず風呂にいれた。 むろん嫌がった、手には無数の引っ掻いた痕がある。 風呂からあがり、俺の部屋へ移動。 まずは名前だな、俺はこの猫を「みょん」と名付けた。 みょんはすくすくと成長し、気がつくと俺とみょんが出会ってもう1年も経った。 幸せな日々、あの頃のぽっかり空いた穴はみょんのおかげで塞がった。 だが… みょんは死んだ。 突然だった 昨日の夜、俺が寝る前までは元気だったのに まただ また、あの時と同じ感情だ… こんなことになるなら、最初から飼わなければ良かった… 後悔 俺の人生は後悔ばかりだ 楽になりたい 死ねば助かる? この先も後悔して、また同じことを繰り返すの? 違うよ 何が違うの?君は誰? 君はぼくと出会ったことで学んだことがあったはずだよ。 ……… 僕は、君に出会えて本当に良かった、君と言葉を交わすことが出来て本当に良かった、君に気持ちを伝えることが出来て、本当に本当に良かった…。 ごめん…飼わなくていいなんて言ってごめんね…俺…俺…自分勝手で無責任で… クスッ、君は君で良いんだよ。 僕は君と一緒に暮らせた、君と一緒に暮らせたことが幸せだったんだよ。 俺が…俺だから? そう、君は君、君は君だから僕は幸せだったんだ。 俺も、幸せだった… その言葉…聞きたかった…ありがとう、そしてさようなら。 こちらこそありがとう、みょん… 人だかりのない、路地裏、俺とみょんの出会った場所。 そこには一輪のたくましく育つ花が咲いていました。
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