解放

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「ありがとう、スッキリしたよ」 贄は息も絶え絶えに、茫然自失に座り込んでいた。 マスカラは剥げ、涙と鼻水で、顔はぐちゃぐちゃだった。捨てられたマネキンみたいだった。 「綺麗だよ、公衆便器にしては。ただ、消臭剤の匂いとアンモニア臭が鼻をつくがね」 私は公衆トイレを後にした。 夜の公衆トイレは、くれぐれも香水のつけすぎに、御注意を…。
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