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彼女はひどく凄まじい闘気を放っている。左右がそれぞれ白と黒の対比した服を着ており、赤い髪に触角が二本。しかし、俺が気になるのはその武器だ。
哀染(槍?いや、違う・・・。)
その得物には、三日月の形の刃がついている。生憎と日本刀しか知らない俺にはどんな代物かはわからない。
??「・・・・・・。」
ふと目が合う。彼女も恐らく董卓軍の将だろうと、いろいろ思考していると・・・。
??「あぁ、こんな所におったわ。おーい、呂布ちん!」
呂布「・・・・・・霞(しあ)。」
今度は関西弁の女性がやって来る。しかし、それを余所に俺の思考は停止していた。
哀染(呂布・・・まさか、呂布奉先!?)
??「さっきも言ったやろ?総大将が自分から突撃したらアカンって。」
そこまで言い、ふと俺に視線が行く。
??「あんた、連合軍の将か?」
先ほどのなだめるような口調と代わって鋭い喋り方になる。
哀染「あぁ、そうだ。」
と、自分の声が震えている。同時に初めて、自分の身体が固まって動かない事に気付き驚く。
??「ウチは張文遠や。まあ、ウチら二人に出会ったのが運の尽きやな?」
なるほど、それは相当運が悪い。仕方ないから口で対抗しよう。
哀染「おっと、軍を束ねる大将が俺一人に夢中になる暇なんか無いぜ?本陣はもっと後ろだし、何しろ連携が無いが、あんたらの不利は変わらんぜ?」
本郷軍が後退する。そしてこちらに引き付ける。ならば狙いは・・・。
兵士「伝令!虎牢関に連合軍が取り付いています!至急お戻りを!」
哀染「と、言う事だ。董卓の首が惜しいなら早く戻らないといけないぜ?こちらは・・・訳ありでね。じゃあな。」
サッサと逃げる。追っ手がないのは嬉しいが、恐らくどちらかとはやり合う事になるだろう。
~曹操軍~
華琳「で、総大将を前におめおめ逃げ帰って来たの?」
哀染「呂布相手に一騎討ちなんて無謀な真似はしたくはない。」
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