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哀染「それに、俺が死んだら、今度は『関羽を貸せ』とか言われかねんしな。」
華琳からこうやって簡単に尋問を受けている。夏候姉妹はともかく、旬イクの視線は鬱陶しい。
華琳「それならなぜ一人であんな無茶をしたの?春蘭や秋蘭がいたでしょう?」
哀染「さあね、誰かさんが俺を『自分たちを嵌めようとしている』みたいな言い方をしたからカッとなったんだ。俺も本郷軍の作戦なんて全く知らなかったから困っているのに酷いものだ。」
曹操軍のド真ん中でこんな言い分を言うのはかなり勇気がいる。いつ背中から斬られるかわからんし。
華琳「まぁ、それより今は、呂布の事が聞きたいわ。話して。」
夏候淵「お前も案外単純なんだな。」
哀染「まあね。じゃあ、あくまで個人的な見立てだけど・・・。」
それからしばらく、呂布の力は侮れないとか、あたれば即死だろうとか、思い付く限り感じた事を喋った。ついでに性別も。
華琳「そう。では対策は私と桂花で練るから、貴方は春蘭の指揮下に入って。二人とも異論は無いわね?」
夏候惇「わかりました。」
哀染「胡散臭いと感じたら遠慮なく後ろから斬りな。」
一応、そう付け加える。華琳と夏候淵に厳しい視線が送られたのは言うまでもないが。
哀染「さて、夏候惇。俺はどうすれば良い?」
方針も決まり、再び前線まで戻った俺達は、董卓軍と派手に戦っていた。
夏候惇「我々の将兵は強者揃いだ。皆の武で打ち破る!」
自信満々に答える夏候惇。ある意味清々しい答えだ。
夏候淵「ところで、小十郎将軍はどうするのだ?」
哀染「・・・?」
夏候淵「また呂布と出会ったら、どうしたいんだ?」
哀染「状況次第だ。それと、『将軍』はいらん。俺は半分人質だしな。」
夏候惇「それもそうだが、呂布を討つなら一騎討ちなんて考えるなよ?」
・・・まさか彼女に図星を指摘されるなんて、意外に鋭いなぁ・・・。
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