虎牢関に英傑集う~疑問と策謀と~

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夏侯惇「なんだと!」 旬イク「なんですって!」 当然吼える二人。夏侯淵は厳しい視線を送る。 哀染「ならば夏侯惇、俺の言ってる事がわかっているか?」 夏侯惇「わからん!」 即答かよ・・・。しかも自信満々な顔で答えるな。ま、いいや。 哀染「次に旬イク、俺の話しは胡散臭いか?」 旬イク「当たり前よ!」 こっちもか・・・。そんな怖い視線をむけるな。 哀染「ならばすぐに退席してもらう。話題のわからんヤツと、信用のないヤツがいたら話が進まないからな。」 四人「「「「・・・。」」」」 曹操からの視線がかなり厳しくなった。斬られる? 曹操「哀染、天の世界の知識は難しい部分は多いのかしら?」 哀染「・・・?あぁ。」 それきり曹操が黙り込む。曹操以外の三人、特に夏侯姉妹は殺気全開で、まさに一触即発だ。 哀染「もちろん、出来る限り理解しやすい説明を心がける。どうしてもと言うならば、書き記すぞ?」 曹操「・・・。」 まだ黙っている。針のムシロとはこの事か。 曹操「秋蘭。」 夏侯淵「はっ!」 ようやく沈黙を破った曹操が放った言葉はそれだけだ。反応したのは夏侯淵、か・・・おそらく彼女の真名だろうが、本人に確認の取れない以上は言わない。多分夏侯惇辺りに斬られておしまいだから。すると、夏侯淵は退室し、猫耳と夏侯惇、曹操に俺の四人になってしまう。 曹操「哀染、頼みがあるのだけれど、良い?」 哀染「なんだ?」 急にこちらに声をかける曹操。何を考えている? 曹操「春蘭・・・夏侯惇将軍と手合わせをしてもらうわ。」 ・・・なるほど、そこまで言うなら実力で示せ、って事か。ならば選ぶのは当然・・・ 哀染「わかった。今すぐ準備をしよう。」 ~曹操軍側陣営・外~ 哀染・夏侯惇「「・・・。」」 あれから急ぎ支度をした俺達は、今こうして向かいあっている。そのまま二人して曹操を待つが、雰囲気は最悪だ。 哀染(さて、はからずも夏侯元譲のお手並みを拝見出来るのは救い・・・か?) と、そこまで思考をしていたら、ようやく曹操が出てきた。
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