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曹操「さて、二人とも準備はいいかしら?」
夏侯惇「はい!」
哀染「・・・問題ない、曹操殿。」
曹操「よろしい。では哀染、貴方の力量を試させてもらうわ。」
改めて曹操がルール解説に入る。とはいえ、単に先に必殺の一撃を入れたら勝ち、というシンプルなもの。当然、峰打ちにするが。なお、俺が『曹操殿』と言う度に微妙な目線を送るのは気にしないようにした。
曹操「春蘭が勝てば、二人にも天の知識を教えること。」
哀染「承知。」
曹操「貴方が勝てば、二人を外してあげる。」
・・・負けたくはないな。・・・いろんな意味で。
曹操「始め!」
曹操が高らかに宣言し、神経を集中させる。夏侯惇は怒り以上の感情をむき出しで構える。
夏侯惇「行くぞ!私を馬鹿にしたこと、後悔させてくれる!」
哀染「だったら自信満々な声で認めるな!」
お互いに話をきりだし駆け出す。夏侯惇の得物はやはり大剣だ。
夏侯惇「ハアァァァァ!」
ブォォォン!
哀染「・・・チッ!」
ヒュゥゥ・・・ダァン!
空気すら切り裂く轟音に、一瞬汗が流れる。おそらく捕まれば死ぬ。夏侯惇は咄嗟に半歩ずれてかわした俺に更に追撃を行う。
夏侯惇「貴様、なぜかわす!」
哀染「そんな殺気全開の攻撃、避けないでどうする!」
ビュン!ガチィィン!
衝撃。今度も凄まじい気迫と振りの速度。おまけに剛力の一撃防いだものの、腕への負担がひどく、かなりのダメージがきた。
哀染「その細い腕でその力、凄いな!」
キィン!シュン!
春蘭「貴様ぁ、さっきの侮蔑ではあきたらず、今度は馬鹿力と・・・斬る!」
ビュッ!ブゥン!
哀染「馬鹿とは言ってない!むしろ褒めてるんだが・・・な!」
キン!シュッ!
こちらがこうして必死に必殺の攻撃を避けるのを、他の三人は静かに見ており、時々内輪で会話をしている。
哀染(・・・。)
彼女の戦法を見ると、だいたいのパターンが読めてきた。どうにも、突撃一本槍の如く、ちょっと距離を離すとまっすぐ突っ込んで来る。
哀染(これじゃあただの猪武者以上の猪だ・・・。)
史実の『夏侯惇元譲』を知っているから随分がっかりしたが、それよりも今の状況を終わらせる為に、手を打つ事にした。
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