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指についたとろりんとした液体を払うと 霊夢はこちらに向き直りました
霊夢
「久しぶりね」
「あなたこそ久しぶりね」
そう返すのがよかったはずなのにうまく言葉にならず
レミリア
「な、なんで私のためにこんなところに来てるのよ!」
そんな棘のある言葉を吐いてしまうのです
この気持ちが本心にないとは言い切れません が 霊夢に棘を飛ばすようなこと したいとは思うわけありません
改めて二人きりになって 元気な心臓はより元気バクバクと震えさせていくのです
どうすればいいかわからず 落ち着くためにせき込んで見ても
強がってしまっているのです
すると突然霊夢は
霊夢
「ー?あなたのために?何言ってるの?」
きょとんと目を丸くし そう言いました はっきりと
私すらもきょとんとしていました
ーえ?
霊夢
「私がわざわざあなたのためにこんなところ来るわけないじゃない」
ー…
…そりゃそうか 考えてみればそうでした
何を 勘違いしていたのか自分は まさか自分が悲劇のヒロインか何かと履き違えてるとは
今更気付きましたよ ははは
そんなことを考えながら
歯を食いしばっても 目から出る水は止められませんでした
流すまいと力を込めても 止められない こんなの見せられない
私は下を向き 一人涙と戦いました
自分の勘違いを正そうと自問自答すればするほど
涙は流れていくのです
ベトベトになった目を手で拭ったその時でした
「でもね 例えば好きな人が泣いていたら あなたならどうする?」
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