私という不幸な人

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私は坂町たろ(90)である。 私の人生は、一言で言えば、不幸であった。 0歳の時、母親が55。 10歳の時、父親が40。 20歳の時、入社した 次の日に隣町の会社 が倒産した。 30歳の時、両親が離婚。 40歳の時、医者に、もって後、数十年の命でしょうと宣告される。 50歳の時、50年間ずっと好きだった人にひょんなことで振られる。 60歳の時、医者に多分、もう長くはないでしょうと宣告される。 70歳の時、「10年前に宣告されたのは、命ではなく、髪の毛のことじゃない」と妻に言われる。 80歳の時、一通の手紙が届く。 90歳の時、その手紙を開く。
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