0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
私は坂町たろ(90)である。
私の人生は、一言で言えば、不幸であった。
0歳の時、母親が55。
10歳の時、父親が40。
20歳の時、入社した
次の日に隣町の会社 が倒産した。
30歳の時、両親が離婚。
40歳の時、医者に、もって後、数十年の命でしょうと宣告される。
50歳の時、50年間ずっと好きだった人にひょんなことで振られる。
60歳の時、医者に多分、もう長くはないでしょうと宣告される。
70歳の時、「10年前に宣告されたのは、命ではなく、髪の毛のことじゃない」と妻に言われる。
80歳の時、一通の手紙が届く。
90歳の時、その手紙を開く。
最初のコメントを投稿しよう!