◆2◆ 出会い

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どうやら彼の羽はしまうことが出来るらしい。 人に見られるとまずいからと、羽をしまった彼と俺は2ケツしてチャリで家まで帰った。 「いろいろ迷惑かけてほんとごめん」 とチャリをこぐぎながら謝る俺に、 後ろに乗っている、常に笑顔を絶やさない彼は、いつもの表情で、 「全然大丈夫だよ。初めてできた人間の友達の役に立てて、僕も嬉しいし!!」 と言ってくれた。 友達か…、と彼の言葉に顔を緩めるた俺は、 《ほんとにお人好しなヤツだよ…》 というジルの言葉を思い出した。 《確かにその通りだな》 「まぁ、こんなのも悪くないか」 そうそう誰でも出来る体験じゃないし、 どうにもならない現実なら、非現実な今を楽しむことにしよう。 この、新しくできた吸血鬼の友人と共に―――………。 まあ…命がけだから、楽しめるかは微妙だけど。 そんな俺達の帰り道を、夜の月が優しく照らしていた。
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