第一章 逆転シンデレラ

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「第一、僕の馬術テクで送ってもらえるなんて光栄なことだよシンデレラ?」 「不安要素しか見当たらんわボケ」 「あ、言っちゃう?そういうこと言っちゃう?」 悪態をついたシンデレラに、騎手はそれこそ「にたぁ」とでも効果音のつきそうなドス黒い笑顔を浮かべました。 ぎくりと肩を跳ねさせたシンデレラでしたが、言ってしまった言葉はなかったことにはなりません。 まさに覆水盆に返らず 「さぁ馬車にお乗りよシンデレラ? 舞踏会に行くんだろう?」 やたらにこやかに話しかける騎手に、放った言葉に若干の後悔を覚えながら シンデレラは血の気の引いた顔を隠さず、カボチャの馬車へと歩を進めました。 「……シートベルトはあるんやろな?」 「さぁて、どうかな☆」 (俺死んだな…) 城に着くまでの間、シンデレラが意識を保っていられる保証は何処にもありませんでした。
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