第一章 逆転シンデレラ

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さて視点を変えてシンデレラはといえば 初めての舞踏会に、物珍しさからかキョロキョロと辺りを見回していました 「あいつら(天藤と玲)に出くわさんようにしやな…なに言われるかわかったもんやない…」 どうやら継母と義姉を警戒していたようです そこへ、後方からなにやらパタパタと足音が聞こえ シンデレラが振り向くとひとつの影が それはダンスをしている娘達の中をかいくぐり、あわてた様子でこちらに向かっているようです 「あれは…」 後少し、というところで その影は視界から突然消えてしまいました 「ふにゅ…っ!!」 同時に聞こえたのは何かの悲鳴と倒れる音 シンデレラが足元へ目をやれば、そこにはうつ伏せに転がっている王子の姿が 「いたたた……」 「…大丈夫か?」 顔をあげた王子にシンデレラはそっと手を差し伸べ、引っ張り起こします 端から見れば立場が逆なのですが、仕方ない 王子はシンデレラに起こされ、スッと立つと 遠くからはよくわからなかったシンデレラとの身長差に若干おののきつつも 今度は王子の方からシンデレラへと手をさしのべました 「…ようこそ我が舞踏会へ、…私と踊っていただけませんか?」 王子はそれこそ教養の良さが垣間見られる優雅な仕草で一礼し、シンデレラをダンスへと誘います
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