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「…………うわぁ」
「開口一番にそれとは、随分と生意気な口を聞く娘(仮)ですねぇ…」
「…………違和感なさ過ぎで逆にきしょいわ」
「…おやおや全く、父親共々躾がなってないようで…」
継母はクスと微笑むと、シンデレラがたった今ピカピカにしたばかりの床を、蹴倒したバケツの中身で台無しにするのでした。
「ギャ────────ッ!!」
「おや、やり直しですね。頑張って掃除してください」
「ふざっけんなこのカマ野郎!!」
ニコニコと清々しいくらいの笑顔を向ける継母に苦労を水の泡にされたシンデレラは涙目になりながらも掴みかかろうとします。
するとそこへ、もう一つ分の人影が割って入りました。
「テッメェ……マスターをカマ呼ばわりたぁナメた真似するじゃねぇか?」
「あ゙ぁん!?」
もう一人はどう見てもただのスケバn(ry
いえ、正しくは義姉でした。
義姉は黒を基調にしたゴシック調のドレスを纏ってはいましたが、黒メッシュを入れた金髪をいつものようにくくった上に、革製ベルトのチョーカーを頑としてはずさなかった為、三白眼も相俟って全体的に柄の悪い仕上がりになっています。
「……………うっわぁ(二度目)」
「何ドン引きしてやがる!テメェも似たようなもんじゃねぇか!」
「…いやー、流石にお前には勝っとる自信あるわ俺」
「…ぁんだとこのやろう!?ぶっ殺すぞてめぇ!!」
正直言ってどちらも五十歩百歩です。
義姉の格好にうっかり脱力してしまったシンデレラは継母から距離を取りました。
するとタイミングよく継母が手をかざし、獣のようにいきり立った義姉を諌めます。
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