Vol.01 「要。大好き」

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怖くないと言えば嘘になる。 蓮の瞳が俺の心を射抜くように感じたのは、蓮が怖かったからだ。 だから、たかが手首を押さえつけられたぐらいで動けなくなってしまった。 蓮には忘れろって言っておきながら忘れられないのは俺の方だ。 キスをしたことすら忘れられなかった俺が、あんな事をして忘れられる訳がない。 大体、男に無理やりヤられるなんて、そんな屈辱的なこと忘れられるか。 「…どうしたら、この想いを受け止めてもらえますか?」 まるで捨てられた子犬みたいな瞳が俺を映していた。 「なんだよ、突然」 さり気なく蓮から視線を逸らして、俺はフェンスの向こう側に目をやる。 そんな目で見んなよな…。 下のグラウンドでは、すでに始まっている授業でサッカーをやっているようだった。
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