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こんな時間にメールが来るのは、おそらくバイト関係だ。
何気なくメールに目を通す。
それはとてもじゃないけど、バイトとは関係のない内容の文章だった。
『オレが見えなくなるまで、オレの事見てたでしょ?背中に痛いほど視線を感じましたよ。…もしかして、さよならのキスした方が良かったですか?』
な、なんだよ、コレ!
登録のされていないアドレスだったけど、誰からかは分かる。
まさか、見てたことがバレてるとは思ってなくて、恥ずかしさで顔が熱くなっていくのを感じた。
『要、さっきも言いましたけど、
オレはあなたが好きです。
愛してます。
明日の朝、迎えに行きます。
蓮』
画面をスクロールさせたその先の告白が、俺の胸に突き刺さる。
ヤバい!
このままじゃ蓮の暗示にかかっちまう。
何度も何度も好きだと言われる優越感。
男に言われるなんて初めは気持ち悪いとしか思わなかったのに…。
でも、今は?
…冗談じゃねぇ!誰が蓮なんか!
俺は胸の奥に芽生えた小さな温もりを否定するかの様に、激しく首を横に振った。
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