Vol.01 「要。大好き」

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「これじゃ無理ですね」 目の前の扉を見て、蓮がため息にも似た声を漏らした。 両開きの扉の取っ手には、開かないようにとチェーンがグルグル巻きにされている。 そしてそれをダイヤル式の鍵が固定していた。 「それが無理でもねーんだよ」 少し自慢気に言って、俺はダイヤルの数字を回し始めた。 0…9…1…0…と。 心の中で呟きながら合わせるとカチリとロックが外れる。 「ほんとだ」 「だろ?」 得意気に蓮を見ると、その顔があまりにも近くにあって、俺は慌てて視線を扉に戻した。 忘れてた………わけじゃないけど 俺と蓮は… 「…もしかして、やらしい事考えてません?」 おぼつかない手付きでチェーンを外す俺の耳元で、蓮が囁き息を吹きかけてきた。
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