Vol.01 「要。大好き」

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「何すんだよ!」 「別に、何もしてませんよ」 「だって今お前、耳に息吹きかけたじゃねーかよ!」 「そんなことしました?ほら、取れましたよ。屋上に出るんでしょ?」 一歩退いた俺の代わりに、蓮はチェーンを外すと扉を開いた。 「いい天気ですね」 先を行く蓮が大きな伸びをする。 その後に続いて屋上に出ると、俺は扉を閉めた。 「…やっと口きいてもらえましたね」 振り返った蓮が満面な笑みを見せた。 その笑顔が眩しくて、思わず目を細める。 いやっ!これは、太陽の光が眩しいんだ。 決して蓮のせいなんかじゃ… 「要?どうかしました?」 「なんでもねーよ。それよりな」 わざわざここまで連れてきた目的を思い出して、俺は蓮を睨みつけた。
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