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「何すんだよ!」
「別に、何もしてませんよ」
「だって今お前、耳に息吹きかけたじゃねーかよ!」
「そんなことしました?ほら、取れましたよ。屋上に出るんでしょ?」
一歩退いた俺の代わりに、蓮はチェーンを外すと扉を開いた。
「いい天気ですね」
先を行く蓮が大きな伸びをする。
その後に続いて屋上に出ると、俺は扉を閉めた。
「…やっと口きいてもらえましたね」
振り返った蓮が満面な笑みを見せた。
その笑顔が眩しくて、思わず目を細める。
いやっ!これは、太陽の光が眩しいんだ。
決して蓮のせいなんかじゃ…
「要?どうかしました?」
「なんでもねーよ。それよりな」
わざわざここまで連れてきた目的を思い出して、俺は蓮を睨みつけた。
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