名も無き少女の道行きは

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ただやっぱりいつまでも代わり映えのない景色の中に居ると、段々飽きてきたりもするわけで、なんとなく、疲れたわけでもないのに道の端に腰を下ろしてみた。 すると、先程見た狐の子供が駆け寄ってきて膝の上で尻尾を振りだした。 特にすることもなかったので、その子狐を弄ることにする。 耳を引っ張ったり髭を引っ張ったりしてみると、噛みつこうとしてきて、その行動が何だか面白かったので、そのまま同じ事をしばらく続けていた。 やがて、子狐は戯れるのに飽きたのか膝の上にくるまって眠りだした。 やることがまた無くなったので、しばらくぼうっとしていると段々眠くなって来たので、子狐を横に下ろして胸に抱くようにして眠りについた。 何だか暖かいものが私を包み込んだような気がした。
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