価値観

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‘目の保養’の買い物にも飽きて、駅の改札に切符を入れようとした瞬間、手首を掴まれた。 「やっぱりジュ-スだけでも飲もう!!」 さっきのオジサマだった。 「まだいたんですか??!!」 通路をふさいで邪魔になってしまった私は、絶・対、味で勝負してないだろぅ、構内の喫茶店にトボトボ付いて行った。 薄い薄いオレンジジュ-スを飲みながら雑談。彼は山名、と名乗った。 38歳。顔、サングラスしてるから分からない。 体系は、筋肉消しゴムみたい。 肌色黒い。 自営業。うん。みるからに。 ‘普通の会社員ではないゼ’ なオ-ラがヒシヒシ。だから平日の昼間に百貨店なんかに居たんだ。 平日の昼頃の百貨店はお客が少なくて、 「ヒトメボレした。」 って言われても、周りに私以外はオバサマしかいなかったんじゃないの? ひねくれた気持ち。 「結婚、してないんですか?」 左手薬指を見ながら私は言った。 結婚指輪…にしては奇妙なデザイン。 ネイティブ系シルバーで、 力士が相撲とってる横姿が刻印されたもの。 これをお揃いでする女はいないだろう。だから、 「この指輪?デザイン気に入ってるけどこの指にしか入らないから。」 って彼の言葉を素直に信じた。
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