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(み~んな働いてるのに、贅沢だぁ~。)
幸せ感じてベッドにもぐる。ちょっと遅い昼寝。
私はSHOP店員。客の多い土日は必ず出勤。
だから平日が休み。立ち仕事と人混み混雑、喜んで♪の8時間が普段の生活の大半だから、
平日のOFFの午前中は、大好きな時間。
美容院も予約ナシで受付してくれるし、買い物もスムーズ。
もう、土日祝がの休みだった日々を忘れてすっかり平日休みを謳歌している。
気持ちよくウトウトしてると、また携帯から着信音が流れた。
もちろん取ります。現代っ子だから。
「....もぉしもしぃ~。」
寝る時も携帯を枕元に置くのは依存症なのかなぁ。
そして日中眠っていても、着信音には必ず目が覚める。メール音には気づかず爆睡してる。
夜には眠ってしまうと、着信音もメール音も気付かず安眠できる。
これって得な体質というか、癖なのかなぁ。
「“お昼寝かぁ~(笑)いいなぁ。カナの為に仕事頑張ってくるからね。”」
「ん~...カナじゃなくてカ・ン・ナ。」
さっき初対面だったのに、もう
“お前のために頑張るよ”
ってあり得ない。やっぱり新手の恋愛商法だ。
喫茶店でもサングラスはずさなかったのは、あの近辺で悪事を重ねてるからだ。
「“ごめんカンナ。ごめん。じゃあ後で”」
通話終了。通話時間は20秒。
公衆電話から小銭で携帯に電話かけると笑けるくらいお金入れ続けないと切れちゃうよね。ダサい。
とにかく宝石もツボも買わないよう厳重注意だな。
でも今の電話で2回目。
これが続いたら、ヒトメボレって信用出来るかも。
好きになってくれた人を好きになってしまうタイプの私には恋愛の対象になってしまうかもしれない。
なんて、有り得ないか。
ヒトメボレなんて、あんな大人はきっとしない。
口説く口実。自分の‘モテ黄金期’に最も成功したセリフなのかもしれない。
ヒトメボレの言葉の中には、外見が褒められた喜びと、
運命の出会いを相手が感じたというロマンチックな響が加わって強い威力を持つ。
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