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「ブランク遅いズラ!!」
「飛空挺飛んじゃうッス」
バンダナを巻いた男とヒゲ面の男が飛空挺から外に身を乗り出して辺りを眺める。
不意にヒゲ面の男が声を張り上げた
「前方に人陰が……、ブランクずら!間に合ったズラ!……だけどおまけも一緒みたいズラ」
飛空挺に走りこんできたのは金髪の少年と追っ手をひきつれた赤毛の少年ブランクだった。
「シナ!コイツ頼む」
少年の手を握ったほうの腕を加速の勢いと共に投げ込んだ。
少年はヒゲ面の男シナに抱きとめられると飛空挺は地面から離れていく。
「ブランクも早く乗るズラ」
飛空挺は上昇し地面からどんどん遠ざかり、ブランクの身長の二倍に離れた。
しかしブランクは余裕の笑みを浮かべ、タッとジャンプすると縄ばしごを掴み、飛空挺内へと乗り込んだ。
悔しそうに拳をふりあげる追っ手達を尻目に。
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