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「くぁっ…、まだ寝足りないな」
ジタンはぐっと背伸びをし、腕を左右に振った。
そして自分の今ある状況に気付く。
「ん…ここは?」
かろうじて着いてるローソクの火を頼りにここは寝室ではないかと探る。そしてローソクを見つめたままその火がゆらり…ゆらりと揺れる度にこくり、こくりと頭が下がる。
そこに嬉々揚々と鼻歌まで歌いながらやってきたのがブランクだ。
「おいっ!!ジタン起きてるか!?」
「ZZZ……」
「おっきろ!!」
シナのお気に入りの人形、アレクサンドリア王妃の娘ガーネット人形が空をまい、そのままジタンの頭に落ちる。
ポスッ
と軽い音がして床に落ちる。
「ZZZ…ん?」
「おっ、起きたか?ちょっと俺と一緒に来てもらえないか?」
「……全力で断る。」
「はぁ…、怒ってんのか?俺が無理に引っ張ってきちまったこと」
ジタンはブランクから視線を外し
「別に」
と呟いた。
「それじゃあなんで…」
「とてつもなく嫌な予感がする…」
とジタンがふるっと身震いをする。
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