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明日菜「全くよ」
気にせず、出海は若干困った顔で続ける。
出海「けど、説明すんのはマジで面倒なんだよなー」
木乃香「そんなに難しい話なん?」
出海「一からちゃーんと話せば丸一日は使えるかもな」
明日菜「マジ?」
勿論、ちゃーんと所々めちゃくちゃ要約するが。
出海「とりあえず、刹那は前にもあの姿は見たはずだぜ」
そう言われて、刹那は驚く。
刹那「やはりっ〝アレ〟は出海さんだったんですか!? しかし────」
出海「あー、それについての説明もするわ」
明日菜「刹那さん。一体何の話?」
出海「だから説明する。……まぁ、あの姿に関しての説明するにはまず相楽家の歴史を語らんとな」
木乃香「出海君家の?」
出海「ああ。……話は約二〇〇〇……いや、一五〇〇年程前に遡るわけだが」
明日菜「なんかエラく話が飛躍したわね」
出海「黙って聞け。当時の都、ここ京都に、異界の王が現れた」
明日菜「え、何の昔話?」
出海「だから黙って聞けバカ!────異界ってのは分かりやすく言えば魔界だ。その王ってんだから魔王ってのが妥当な表現だな」
夕映「何故、その魔王が京都に?」
出海「良い質問だ、夕映っち。その魔王の名前は素戔麻伽王<ス
サノマガノオウ>って鬼の《起源》とも呼ばれる存在でな。『鬼王』という異名を持ってるわけなんだが……こいつが人間の娘に恋してな」
刹那「成程。それで娘を手に入れるために京都を襲ったわけですね」
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