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出海「まあ、そう睨むな。せっかくの可愛い顔が台無しだ」
これはこれで悪くないがな。
刹那「なっ!?」
思いもしない言葉に彼女の顔がみるみる朱く染まる。
出海「一応、言っとくが。俺は仕事仲間だ。近衛の爺さん、学園長に聞いてないか?」
まさかまた爺さんが言い忘れたなんて阿呆な展開はないだろうな。
刹那「……あ」
言われて、桜咲刹那は目を見開いた。
「も、申し訳ありません! 貴方がそうだとは知らず。とんだご無礼を!」
出海「気にするな」
どうやら爺の野郎が詳しく伝えてなかったようだしな。
出海「?」
「おや? もう着ていたのか」
接近した気配と低い女性の声の方に、出海が視線を向けた。
その先には暗闇故に分かりにくいが、腰まである黒髪に褐色肌、出海程(より少し高い)の身長だが同年代の少女、龍宮真名の姿。
出海「よう。真名」
真名「出海か」
刹那「知っているのか?」
刹那の疑問に真名が頷いて答える。
真名「ああ。二三度一緒に仕事をな」
こいつと一緒にやる仕事は報酬がいいんだ、と真名は加える。
刹那「相楽さんが龍宮と?」
龍宮真名の実力を刹那は知っている。
彼女と組むということは並々ならぬ実力を持っているということだ。
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