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午前八時十五分。快晴の空の下、相も変わらず全力疾走する生徒が多く見られた。
出海「遅刻だ遅刻だ遅刻だーーっ!」
狛彦「だからもうやめよって言ったんだよ!」
出海「うるせー! ラー〇ャンがあんな時間掛かると思わなかったんだよ!」
何だあのめんどくせーの!
出海「お前がもちゃもちゃしてたせいだかんな!」
狛彦「何言ってんの!? 散々人の邪魔して良く言うな!?」
事ある毎に蹴り入れてきたくせに!
出海「フ……、そんな過去はもうこの桜の花弁に埋もれたのさ」
狛彦「カッコよく言ってるけど全然意味わかんないからね!?」
出海「つまりお前のせい」
ビシリと狛を指差す。
狛彦「ざっけんな!!」
出海「あ……」
狛彦「あ!? ──!」
次の瞬間、狛の身体がぶつかる。
赤毛の子供に。
狛彦「わぁっ!?」
「へぷッ!?」
そのままぶつかった二人はバランスを崩して転倒。
出海「ったく……何やってんだか」
呆れた出海が溜息混じりに引っ張り起こす。
勿論。赤毛の子供を。
出海「大丈夫か?」
狛彦「ごめんね! 余所見してて!」
「あ、いえ、こちらこそすみません!」
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