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刻は二〇〇一年初春。
所は西日本、京都。
その桜が満開に咲き誇る山中に位置する所に、〝魔術〟や〝妖術〟、〝呪術〟、〝妖怪〟等の決して『表社会』にはまともに伝わる事のない『裏社会』を西日本で統率する【関西呪術協会】の本部が存在する。
その桜舞い散る寝殿造りの広大な屋敷の大広間に二つの影があった。
一人は歳十二程の少年。
一人は歳四十程の男性。
黒衣の装束に身を包んだ少年が座して頭を下げる。
「この相楽出海の名に賭けて、その命に尽かせて頂きます」
「よろしくお願いしますよ。出海君」
相楽出海と名乗る少年に男【関西呪術協会】の長、近衛詠春が微笑む。
また、ヒラリハラリと桜が舞う。
それが始まり。
一つの終わりを告げた一つの始まり。
それから二年……。
刻は二〇〇三年の初春を迎える頃。
場所は東日本、麻帆良学園都市。
麻帆良学園。
明治頃に設立された小等部から大学までエスカレーター式のなんとまあ贅沢な学園(詳しくは幼稚園も入るが)である。麻帆良学園の敷地は無駄に広く生徒が住む寮の住宅街に商店街、全ての建物が基本的に西欧風に造られている学園都市。
見方を変えれば少しファンタジーな街だ。
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