その男 相楽出海

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部屋に入ると、学園長近衛近衛門の他に一人、腰よりさらに下まである長いブロンドの金髪をした少女がいた。 しかも碁で対局中。 出海「何でエヴァがいるんだ?」 学園長と対局しているのは出海の魔法の師匠エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。 真祖の吸血鬼で『闇の福音』等の様々な異名を持つ賞金首であったらしいが、『千の呪文の男<サウザンド・マスター>』とやらに呪いでこの地に縛り付けられているらしい。 エヴァは出海の言葉が気に入らなかったらしく。 エヴァ「なんだ? 私がいたら悪いと言うのか? あ?」 普通の人間なら恐怖に身体を震わせるであろう程の重圧を掛けて睨みつけてきた。 出海「いや、別に」 学園長「ホッホッホ。まぁ、良いじゃろうて。……それで出海君」 畏まり、学園長が出海に視線を向ける。実際目は長い白髪の眉毛で良く見えんが。 出海「あん?」 学園長「こうして呼んだのには、少し知らせたい事があってな」 出海「何だよ?」 学園長「なに、大した事ではない。君には一人で図書館島の監理と学園内の警護を頼んでおったが、今度から警護に於いては度々団体でやらせたいのじゃ」 最近、少し侵入者やらが騒がしくなっての。 と最後に付け加える。
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