金曜日に狐を拾う

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 苑は後ろ向きに春喜に注意を投げかけたが、やっぱり伝わることもなく。  ぎゅっ。  「ひゃぁんっ!」  これ以上ないほどの喘ぎ・・・ごほん、悲鳴をあげた。  「やっ、優しくしてって、言ってるのにっ・・・きゃん!ひゃっ、ふぁぁぁんっ!」  うお、思った以上に気持ちいいぞ、この尻尾。  「!? な、なんかどんどん激しくなって・・・あぁん!はっ、はぁっ、はぁん!」  おお!こうするとすごいいいな!なんていい毛並みなんだ!  「あふぅっ、そんなしごきかた・・・もうらめですぅっ、イっちゃいますぅっ!」  というか本物かどうかわからんな。でも体温みたいな温かさはあるし、さっきから見てると勝手に動くし。  「はぁっ、はぁっ・・・な、なんで止めちゃうんですかぁ・・・あと少しだったのにぃ・・・」  耳もそうだな。ちゃんと温もりもあれば、ぴこぴこ動いてたような・・・。  「はっ!こ、これが巷で噂の焦らしプレイとかいうやつですか!あなた様もなかなかテクニシャンですね・・・」  やっぱ本物なのか?だとしたらこの子の話って全部ホントのことなのか?  これは・・・信じるしかないか。
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