金曜日に狐を拾う

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 「・・・あの、まだですか?私、これ以上我慢出来ませんよ・・・?」  「? 何が?もう調べ終わったぞ?」  「な、なんたるっ!イく直前で止めるだなんて、鬼畜です!ドSです!酷いですっ!」  「?? なんで俺は怒られてんだ・・・?」  ちなみに苑の声は、触るのに夢中だった春喜には全く聞こえていなかったのだった。  一一定位置に戻り。  「それで、信じていただけましたか」  遊ぶだけ遊ばれたと思っている苑は、むすっとした声で春喜に聞く。  「ああ、まぁ確かに君は本物みたいだし、神っつーのも信じるよ」  それはそれで学会に出せば、世紀の発見並の大事なんですけど。  しかし春喜は今はそういうのはナシにして、純粋に苑に接するように努めた。  じゃないと、わざわざ自分みたいなのに会いにきた彼女に失礼だと思ったから。  「・・・でさ、君は昔狐だった頃に俺に助けられて、今神で人の形になってここまで来たんだよね?わざわざそん時のお礼するために」  「そうですよ?」  「あの、それ、本当に俺かな」  「・・・はい。あなたです。間違いありません。匂いもちゃんと覚えてます」
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