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「んなこと言ったって・・・どうしようもないしなぁ・・・」
「うぅ・・・」
泣きそうなのを必死に堪える苑に、春喜はほとほと困り果てるしかない。
で、毎回毎回それの挽回をさせようと家事をやらせて、失敗。
まぁとりあえずこれ以上やることもなくなったし、あとは気まずさが残るだけである。
・・・えー、どうしよう。
「風呂は・・・なんとかなるとしても・・・自炊出来ねーやな・・・冷蔵保存も死んだし・・・」
「お掃除も、お洗濯も、出来ません・・・」
「・・・どうすっかねぇ・・・」
「ごめんなさい・・・」
苑はこのまま消えそうなくらい縮こまり、針の脆いハリネズミみたいになっていく。
春喜はあーとかうーとかひとしきり唸りまくると、ある打開策を思い付いた。
「・・・よし、それなら買い物に行こう」
「・・・お買い物、ですか?」
うるうるアイで上目使いの苑にくらっとしながらも、春喜はなんとか意識を保つ。
「そ、そうだ。買い物だ。ちょうどそろそろ行かないとマズいなって思ってたんだ」
「私が全部ダメにしたから・・・」
「あ、いやそうじゃなくて・・・」
ネガティブ思考。
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