見よ!キッチンは赤く燃えている!

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 「と、とにかく、金も一応あるにはあるし、最低限買い直せるから」  想定外の出費は痛いが、フツーの生活が出来ないよりマシなので。  「ほれ、いつまでも泣いてないで行く支度しなさい」  「・・・泣いてなんかないです・・・」  思いっきり涙目の苑は強がりを言いながら立ち上がる。  小さくくすんくすんとしゃくりあげながら玄関に向かう苑だが、春喜ははっと気付いて呼び止めた。  「おい、お前!」  「はい、あなた?」  振り返る苑は遊び心を忘れない。  「そ、そういう意味で言ったんじゃねぇ!てかだから、まさかその格好で行くつもりか!?」  きょとんと首を傾げる苑は、昨日会った時と変わらず巫女服のままだった。  しかも髪とほぼ同化している対の狐耳とまっふり尻尾がぴこぴこ反応している。  「・・・な、何か変ですか?おかしいですか、このカッコ?」  「あのね・・・」  なんで俺はこんなに疲れてるんだろう。ああ、どこぞのアホ神さまがどこまでも常識知らずだからか。  とりあえず春喜は苑のちっちゃな頭を鷲掴み、ガクガク揺らしまくりながら文句を言い放つ。
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