金曜日に狐を拾う

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 いやそれ以前の問題だ。春喜は意を決して聞いてみた。  「あの・・・すいませんけど」  「? はい、なんでしょうか」  「そのコスプレは一体何事でしょうか」  その子は巫女さんのカッコをしていたのだ。  「・・・えと、コスプレってなんですか?」  「・・・」  ・・・いや、本物の巫女さんらしい。たぶん。おそらく、そうなんだろうけど・・・。  だったら、その『耳』はなんなのか。  「いや、じゃあそれは・・・」  「え?ああ、これですか?」  女の子は、自身の頭に生えた、明らかに人のものではない獣の耳を触った。  髪色と同じ赤茶色で、とんがっていて、耳穴辺りには白くてふわふわした・・・耳毛?のようなものが・・・。  「ごめんなさい、まだ下手くそで・・・耳と尻尾まで消せませんでした」  「・・・はい?」  本日二度目のはい?頂きましたありがとうございます。  少女が腰を回すと、確かにそこから同色のまっふりした尻尾が生えていた。  「ここまで来るのに隠し続けるの、けっこう大変でした~」  「・・・えー、さっきから君の言ってることがわかりにくいんですが・・・」
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