見よ!キッチンは赤く燃えている!

20/26
前へ
/69ページ
次へ
 「・・・はい?」  苑が何を言っているのかわからない、という風に、春喜はポカーンと口を開いたまま。  「そのぱんつとかぶらとかってなんですか?食べれますか?」  「おま・・・待て、なら貴様、今それ・・・俺が貸した服の下・・・まさか・・・何も着てないってこたぁ・・・ないよな・・・?」  「? サラシは巻いてますけど?・・・何なんですか?さっきから」  春喜の頭の中は今、かつてないカオスがぐるぐると駆けずり回り、最悪の結末を弾き出そうとしていた。  まさか・・・まさか・・・!  「・・・苑ちゃん、正直にストレートに聞こう。・・・そのジーンズの下には、何も履いていないのかね」  「・・・はい。履いてないです」  要約すると、ぱんつはいてません。  まさかのはいてない宣言に、春喜は鈍器で殴られたかのような衝撃を受けた。  「・・・そうか。うん、ごめん」  「なんで私謝られてるんですか?」  「細かいことは気にしないで下さい」  それから、苑に適当な紙幣を持たせ、フロアの店員に下着について説明して貰いなさい、と送り出す。  最後まで怪訝な顔をしていた苑は、今は店員を困らせている。
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

160人が本棚に入れています
本棚に追加