金曜日に狐を拾う

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 取り外して鞄にでも入れてくりゃいいじゃん。ていうか、巫女服もわざわざ着んでもええやん。  それ自体がこの子の俺への『恩返し』の一環なのだとしたら、すごいこだわりなんだけどね。  「それで、何のご用ですか」  「え?さ、さっき言いましたよね?恩返しです。恩返しに来ました」  「・・・あの、それはどんな設定付けで・・・、」  「か、架空の話じゃありません!ちゃんと恩返しに・・・あれ?まさか人違い・・・?」  そう言って彼女は春喜に近づき、鼻をすんすん鳴らしながら、犬のような仕草をしだす。  春喜はこんなカワイイ子に接近されたので、情けなくもドギマギしてしまった。  落ち着け、相手は得体も知れないもしかしたらちょっとアレがかわいそうな子なんだぞ。  「・・・いや、あなたに間違いないです。あなたが運命の人です!」  「運命の人とか乙女ちっくなのはいいから。とりあえず君は何なんですか」  「私、ですか?」  きょとんとする女の子は何を思ったか、とんでもないことを口走り始めた。  「はい!あなたに恩返しするため、遠路はるばるやってきましたあなたの奴隷です!」
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