見よ!キッチンは赤く燃えている!

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 こっちは全然楽しくないんだけどな、と改めて彼女を見る。  亜麻色の髪はふわふわとウェーブがかかったロングヘアーで、顔も化粧っ気を抜いても綺麗なため、ホントにお人形さんみたいな子である。  背が高いしほっそりしてるし、モデルでもやってそうだ。  しかも出るとこ出ているパーフェクト美人で、正直年下とは思えません。  「・・・なぁにい?もしかして私に見とれちゃったぁ?」  「別に」  春喜は興味もない、という風にそっぽを向いた。  別にこの子が目線を合わせるために前屈みになり、そのせいでまろび出そうな巨乳がさらに強調されたから目を逸らした訳ではない。決して。  「ふふっ、ウブなんだからぁ☆」  「・・・」  高校生にウブと可愛がられる大学生。なんとも形容しがたい哀しさかな。  「それにしてもぉ、外で会うなんて珍しいわよねぇ」  「・・・まぁ、確かに」  動いているのが不思議なお人形さんは、春喜の隣に一緒になって腰掛けた。  「ところでぇ・・・なになにぃ?彼女とデートぉ?」  「ちげーよ。第一な、こんなファミリー向けなデパートをデートコースに組むか?」
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