見よ!キッチンは赤く燃えている!

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 「それじゃ、私もやることあるしぃ、どろんさせてもらうわねぇ」  「死語・・・」  平気でどろんとか言えるこいつはある意味大物なんじゃないかと思った19の昼。  「うっふふぅ、帰りの夜道には気をつけなぁ♪」  「・・・はいはい、さいなら」  機嫌よく去っていく彼女に、願わくば二度と会いませんようにと願う春喜だった。  一一閑話休題。  「ふぅ・・・」  再び一人になる。  べ、別に今まで一人暮らしだったし、寂しくなんてないんだからねっ!なんて自分に言い訳していると、とことこと楽しそうな足取りの苑が向かって来たのに気がついた。  「お、苑ちゃん・・・ていうか何その荷物」  春喜はまず両手いっぱいの重そうな袋に目がいった。  「えへへー、私店員さん達からかわいいかわいいと大好評でしたので、いろいろサービスしてもらっちゃいましたー」  「・・・サービス?」  「貰ったお金、全部使っちゃいましたけどね?」  「それじゃプラマイゼロだよ・・・」  やっぱりこの子には、情操教育が必須と見た。  「・・・時に、春喜さん」  急に真剣な声色になる苑。
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