金曜日に狐を拾う

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 「ちょ、待っ・・・!」  そんなことを大声出して言うので、昼メロドラマを見ていた隣人のおばちゃんが、ドアを開けて興味深そうにこっちを眺めだしてしまった。  ちなみに春喜はアパートに一人でお住まいだったりします。  おばちゃんはしげしげと女の子を見ると、その格好に眉を潜めながら、最近の若い子は・・・とか言いながら帰っていった。  「・・・ホント、最近の若い子は・・・人の迷惑も知らずに・・・」  何か大切なものを失ったような気がして、春喜は一人涙を流す。  「ど、どうしたんですか、なんで泣いてるんですか?私でよければ慰めてあげますよ?」  「・・・んー、お気持ちだけで結構です」  目の前のいかにも萌えるポイントを突いたような模範的な美少女は、人の迷惑など知らないらしい。  春喜はキョロキョロ辺りを見回して人気がいないか確認したあと、彼女にちょいちょい手招きした。  「はぁ・・・とりあえず、中で話そうか。いつまでも玄関先にいるのも困る・・・ごほん、つらいだろうし」  「本当ですか?ありがとうございます!」  断定、巫女スプレ少女は、ぺこりと綺麗にお辞儀する。
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