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「って、何やってんだお前ら!」
急に剣呑になった雰囲気についていけず、春喜は思わず叫んでいた。
「止めないで下さい、春喜さん。この馬鹿野郎を殺さなければなりません」
「ふん!あんたなんか私の方がぶっ殺してやるんだから!」
お互いに物騒なことを言いながら、相手の少女は巻物をするすると紐解く。
・・・ていうかお前TOVのリ○か、というのは突っ込んではいけない所。
「永劫式術第三十九項乙番!」
少女が詠むと同時に、巻物から『不可視』の刃が多数飛び出して来た。
それは様々な軌道を描きつつ、全て苑に向けて放たれる。
「こんなものっ!」
だが驚くべきことに、苑はそれを全て爪で弾き飛ばし、無効果した。
・・・その代わり、周りの家具などがぶった切られたが。
「ってうぉぉぉぉぉい!!何してくれてんだぁぁぁぁぁ!!」
買ったばかりの冷蔵庫が見事なまでに真っ二つだった。
「・・・あの程度で私を殺せるとでも思ってるんですか?」
「ぐぬう・・・そんなあんただって、相変わらず霊術使えないんじゃないの!?」
うっ、と息が詰まる苑。
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