狸、襲来。

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 「な、何を根拠に!私はあなたなんか、霊術を使わなくたって勝てますよーだ!」  「へぇー、でも霊術の幅が広い方が強いんだもんねーだ!」  「はっ、馬鹿なことを言いますね!結局のところ戦いというのは純粋な力量がものを言う、」  戦いとはなんぞやかと力説する二人に、迷いない鉄拳制裁が加わった。  それはもう手加減なしに。  「いたっ!」  「ぐはっ!」  炎を吹いたり風の刃を飛ばしたりする割に、殴ったダメージは普通に入るようだった。  「何するんですか!」  「何するのよ!」  いきり立つ二人は、勢いよく殴った張本人、春喜の方へと顔を向ける。  が、はたと止まった。  「・・・正座」  「「は?」」  頭上に?マークを浮かばす二人に、地獄の底からのような恐ろしい声音が響く。  「・・・そこに正座・・・」  「な、何で正座しなくちゃいけないんですか」  「そうよ!あんたになんか言われる筋合いは、」  「そこに正座・・・『しろ』」  どこまでも命令だった。何の憂慮もなく、絶対で、有無を言わさなかった。  気圧されて、女子二人は黙って正座する。
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