狸、襲来。

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 「・・・それで、桃瑪瑙ちゃんは、一体なんで道場破りみたいなことをするのかな」  「誰が桃瑪瑙ちゃんだバーカ!」  「君でしょ?」  さっきから思うに、この桃瑪瑙明、もしかしたら頭が弱い子なのだろうか。  「それで、なんでこんなことするのかな。三日前買ったばっかの冷蔵庫が見るに堪えないことになるのかな」  「黙秘権を公使します」  「・・・」  ぶっ飛ばすぞ化け狸。  が、春喜がぶっ飛ばす前に、またも苑が説明してくれた。  「春喜さん春喜さん、それは恐らく私を追ってきたものと思われます」  「? 苑ちゃんを?」  「はい」  こうやって自分のことを言われているにも関わらず、桃瑪瑙は黙ったままだった。  もしかしたら、黙秘権について律儀に実行しているのかもしれない。  「山にいた頃から、これと私は犬猿の仲なんです」  言うなれば狐狸の仲ですけど、とおどけてみせる苑。  「まぁほとんどがあっちから突っ掛かって来たに過ぎませんけどね」  「はぁ・・・でもなんでまたこんなとこまで?」  「さぁ、そんなのは私の知ったことじゃないです」
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