序章 彼女への思い

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そう、彼女は優しいのだ。 誰よりも他人を気遣い、自分をないがしろにする… そんな彼女の性格が、彼女を人前で泣けなくさせたのだ。 昔の自分はどうだっただろう…? きっと、我が身可愛い甘ったれたガキだっただろうな… 自分がそんな人間であった時も、彼女は悲しみを溜め込み、泣いていなかった…… だけど…今こうしている自分は…見てしまったのだ… 彼女の流す涙を… だから…もう彼女を放って置く事は出来ない… 人の涙があんなにも神々しい事を、自分は初めて知ったのだ… 彼女には…幸せの涙を流して欲しい… それが…初めて本当に願った願いだ…
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