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「もう一時だな。」
「え?」
ジャンは聞き返しました。
「どうした?」
「いや、俺の家には鐘時計があるんだ。一時に一回、二時に二回、三時に三回……という風に鐘がなる時計なんだが、まだ鳴ってない。」
「あそこで止まってるあれがそうじゃないか?」
「あ……。そうか、ネジを巻き忘れたのか。そういうのは全部妻に任せていたから忘れてたよ。」
「あんた奥さんが居たのか。今は居ないみたいだが。」
「……実は行方不明でね。かれこれ2ヶ月は帰ってこない。」
「おや、すまない。」
「いや、いいんだ。」
そして、二人はまた沈黙すると、酒を飲み始めました。
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