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訪ねて来たのは現在の両親、拓馬と香織だった。
二人は病室に入るなり隼人のベッドの前にきた。
そして香織は隼人を優しく抱き締めた。
この時僕の中にはなんだか分からない懐かしい温もりを感じた。
「隼人君。私は生前君のお父さんと親しかったものだ。私が一之瀬拓馬、そして妻の香織だ。
私は君を養子として家に迎え入れようと思って来てんだ。」
今の隼人には聞こえていても、頭には入ってこなかった。
「隼人君‥‥‥悲しいよね、辛いよね‥‥‥でもこれからは悲しい時も辛い時も私達が一緒に居てあげる。」
香織は泣いていた。
僕はわかった。あの懐かしい温もりは死んだ両親の温もりだと。
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