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その後、さとしはパチンコ店に顔を出さなくなっていた。
さとしの携帯に電話しても繋がらなかった。
そして、金融屋からお金を借りて初めての返済日。
トモエは、3万円の倍の金額の6万円のお金を用意しておいた。
トモエは緊張気味に金融屋に電話した。
2コール目で繋がった。
『お電話有難うございます。ピース金融です。』
元気の良い声が聞こえた。
『もしもし、松原ともえと申しますが新庄さんはいらっしゃいますか?』
トモエは、緊張気味だ。
『少々、お待ちください。』
暫しの沈黙。
『もしもし、お電話変わりました。』
聞いたことのある声にともえの緊張は和らいだ。
『もしもし、松原ですが今日、返済日ですよね?』
ともえは、新庄の返事を待った。
『あぁー。どうも♪お金は用意できました?』
新庄はともえに聞いた。
『ハイ、あの~今日は、おいくらお返しすれば宜しいのでしょうか?』
トモエは、ある程度の金額であれば驚かない覚悟ができていた。
『そうですねぇ~。ごっ、500万!!』
新庄はキッパリと答えた。
『えっ!!なっ、なっ、なっ!!』
ともえは流石にテンパった。
『ハッハッハ、冗談ですよ。』
新庄が電話越しでもふざけているのがわかった。
『え~と、最低で3千円からですね。全額返済で3万3千円です。』
今度は、真面目に言っているのがトモエにもわかった。
『解りました。ドチラでお渡しすれば…?』
トモエが聞いた。
『午後一時に、この前のパチンコ屋の近くのファミレスでどうですか?』
新庄が聞いた。
『ハイ、解りました。』
というふうな約束をしてトモエは、電話をきった。
トモエは、法外な値段を要求するヤミ金ではなくて安心していた。
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