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その後、ともえはこの男からよくお金を借りるようになっていた。
ある日の事だった。
いつものように男からお金を借りようとしたら
『ごめん。今日、手持ちがないからさ。今、知り合いの金融屋さんが来るから一緒に借りよう。』
と言ってきた。
『えっ!!金融?』
ともえは、ちょっと困惑していた。
『大丈夫だよ。知り合いの金融屋さんだから安全な所だよ。』
ともえは、幾度となく男からお金を借りているせいか男の言葉を信じるようになっていた。
数分位して、Tシャツにジーパンというラフな格好をしたいかにもいい人そうな男がやって来た。
『スイマセン。さとしさん《男の名前》遅くなっちゃって、じゃあ、これいつもの。』
そう言って、さとし《以後、男の名前さとし》に封筒を渡した。
『あっ!!スイマセン新庄さん《金融屋の名前》こちらのお姉さんにもお金を貸して上げて欲しいんですけど。』
さとしは、手の平でともえを新庄に紹介した。
『有難うございます。お姉さん初めてですよね?』
新庄がともえに聞いた。
『あっ、ハイ。』
ともえは、緊張気味に答えた。
『今、免許証か保険証はお持ちですか?』
新庄は、走って来たのであろうか?
右手で顔を煽っていた。
『これでいいですか?』
ともえは、財布から免許証を取り出し、新庄に渡した。
『結構ですよ。』
新庄は、ジーパンから携帯を取り出し、カメラモードにしてその免許証を撮影した。
『ハイ、有難うございます。契約書は必要ですか?』
新庄は、ともえに免許証を返しながら聞いた。
『えっ?』
ともえは、金融会社からお金を借りるのは生まれて初めての経験だったので顔が?になっていた。
『新庄さん。今、このお姉さん手持ち無いんだ。そっちに任せるよ。』
さとしが新庄に言った。
ともえは、更に顔が?になっている。
『今、契約書を作って貰うと事務手数料とかで5万かかるからともえさんもそれでいいよね?』
さとしは、ともえに聞いた。
『ごっ!!5万?』
今のともえに5万円なんてとても払えるわけがなかった。
『さとしさんの方でお願いします。』
よく理解できなかったが、そっちの方が安く済みそうだったのでさとしに任せることにした。
『じゃあ、今日は三万をお渡しします。後、こちら私の名刺です。』
新庄は、お金とピース金融と書かれた名刺をともえに渡した
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