2、頼み

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「お茶しかないが・・・」 「いえ。それとお気遣いなく。」 テーブルの横にあぐらをかきながら座る男。 茶色のクリクリとした髪にエメラルド色の瞳、白い肌に似合わない高い身長。 全身でロックオンだと言っているみたいだが、ロックオンじゃない。 顔や雰囲気は似ているが、彼は『ライル・ディランディ』と名乗った。 「ん。」 「あっありがとうございます。」 刹那はコップに注いだお茶をライルに渡すと真向かいに座った。 「いやぁさっきは驚きました。いきなり抱きつかれたから。」 軽く笑いながら先程あったことを思い出すライル。 「まっ、間違うくらい似てたんだがら仕方ないだろ・・・」 恥ずかしそうにうつむく刹那。 それは5分程まえ。 警戒しながらドアをゆっくりと開けてみると、そこにはロックオンと似た顔を持つライルが立っていた。 「あっはじめまっ・・・」 ライルがとりあえず挨拶をしようとした時、 「っう・・・ロックオン!」 死んだはずの彼が現れたため刹那は嬉しさのあまり抱きついた。 「うわっちょっ・・・」 「!?」 突然抱き締められ慌てるライルに刹那はハッと我に返りすぐに手を放した。 そして彼の態度じゃないことや、少しばかりどこか違うことに気付いた。 「・・・誰だ・・・お前・・・。」 「それを言う前にあなたが抱きついてきたんですよ!」 そう言われ、見た時の彼の言葉を思い出す。 「・・・すまない。」 しゅん・・・とし、謝る刹那。 「いえ、かまいません。兄の、ニールの恋人であったあなたが間違うのも当然ですし。」 「兄?ニール?・・・ニールってロックオンの・・・」 そう言いかけた時、彼は人差し指を刹那の口につけた。 「ここでは周囲の人に聞かれる心配があります。出来れば中で詳しく話したいのですが・・・」 彼の言葉に刹那は周囲を見渡す。 朝早いとはいえ、徐々に人が起きてきた。 「わかった。上がってくれ。」 「はい。」 と彼は刹那の後ろについていく感じで家に入った。
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