1 

2/6
前へ
/38ページ
次へ
「ねぇ、レイコが来たわよ」 「やだ、本当だ。教室に着く前から会うなんて、今日はついてないわね」  私の姿を確認して、ちゃんと聞こえるように話すクラスメイトの女の子たち。  私の何が気に入らないのか、気持ち悪いものを見るような目つきで視線を向ける。  ……こんなことにも、もう慣れた。  いつからだろう。自分が女の子から嫌われる存在だと自覚したのは。思えば小学生……ううん、それより前からだったかもしれない。  「レイコちゃんと遊ぶとママが怒るの。レイコちゃんに怪我でもさせたらうちが大変なことになる、って」  そう言ったのは幼稚園で一緒だったミカちゃんだった。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加