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「夜中の台所で、何か食べる以外に何の用が?」
芳江のしたいことを知っているのか、いないのか。
無邪気に尋ねるその瞳からは、夫の真意は分からない。
「そ、りゃ。色々あるわよ。主婦だもの」
思わず早口で嘯く。
「ふぅん」
言うと、夫はテーブルにつく。
芳江は諦めて、お茶を入れることにした。
「母が起きちゃって」
「うん。さっき見に行った」
「……え?」
芳江は青ざめる。もしかして、バケツの汚物も見られただろうか……。
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