1・始まりの終わり

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外に出ると油臭さが一層強くなる。 駆けながらルーイは呼んだ。 「ロス!おまえはこっちだ!ディはジェイについてくれ」 外で見張りをしながらジャンケンに興じていた二人は、その声でぱっと二手に分かれた。 どう動くかは十分に打ち合わせてある。 ジェイとディなら、背後は万全だ。 ついてきたロスが、ルーイと走る男に聞いた。 「そっちから来たかあ!どんくらい来た?ああ?」 「……なんか凄い武器もってきてる。なのにおれたちを説得?しようとしてて」 「何をしてきた?」 「拡声器で呼びかけてきた」 ロスが大声で笑いだし、走りながらなので途中むせる。 その背中をぱん!と叩いてルーイは先を急いだ。 相手に焦りが見え、内心ほくそ笑む。 今さら国の説得に応じられる程甘い仕打ちは受けていない。 そんな金髪達を集めて今に至るのだ。 ルーイの仲間は、打倒王家を目的に着実に増えていた。 大きくなりつつある勢力に国も攻撃の手を強めつつある中、懐柔策を繰り出してきた軍がルーイにはおかしかった。 ここも勝てるな、と胸中で呟く。  
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