第十二章 地下室

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とあるビルの地下室。 その密閉された部屋の中には、両手両足を縛られ倒れている2人の女の子がいた。 「………。」 「……そん……な。」 1人の少女は声にも出せず驚き、1人の少女は目を疑っている。 2人が見る先には、罠にはまったリーゼントの男の写真と倒れる信号機の写真。 「本当だよ、可愛子ちゃん達。信号機は暴走族に負けてリーゼントは捕まって何もできない。」 「まぁ、ヒーローなんて言っても所詮こんなもんだ。」 「雑魚だよ、雑魚。誰だって救えない雑魚!」 女の子たちは、乙女と真由は、周りにいる男たちを睨む。 周りにいる男たちとは、公園で絡んできた男たちと、かつてとあるデパートで絡んできた男たち4人。 何故かその全員に怪我をした跡がある。 「は、早くやっちゃおうよ。俺我慢できない。」 「まぁ待て。許可が出るまで待て。でないと俺たちが消されてしまうからな。」 「あぁ~、もう! 早く許可でろよ!」 男たちの会話とその視線に嫌気がする乙女と真由。 女の子なら誰だって、好きでもない男に性の対象として、性欲の捌け口としてなど見られたくもない。 「前回は黄色のヒーローと¨あの女の子¨のせいで何もできなかったんだ。今回こそはさせてもらうよ。」 離れた場所で見ている、以前会ったことがある4人組の一番のイケメンが、左肩に触れながらわざわざ彼女たちに聞こえるように言う。 その顔は整った容姿を崩し、その場にいる男たちの中でも一番醜い笑みを浮かべていた。
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